4月25日が「世界ペンギンの日」というのをご存知ですか?毎年、この日の前後にアデリーペンギンがアメリカの南極基地に姿を現すことをお祝いしたことから、ペンギンの記念日となったそうです。今回は「世界ペンギンの日」に合わせて、ペンギンに詳しい「長崎ペンギン水族館」に取材協力いただき、ペンギンを見る時により楽しくなる豆知識を紹介していきます。
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ペンギンは全部で18種。そのうち半数が絶滅危惧種
世界のペンギンは全部で18種類。一言にペンギンと言っても大きさ、目の色、模様、生息地など様々で実にバラエティに富んでいます。そのぽってりしたフォルムや、よちよち二足歩行する愛らしい動きから、アニメに登場したりキャラクター化されたりすることもある人気の動物です。
しかし、18種類のうち9種がIUCNのレッドリスト絶滅危惧種に指定されており、現在進行形でペンギンの生態が脅かされています。環境汚染や生息地の破壊、漁業、地球温暖化など、原因は全て人間によるもの。これ以上ペンギンの生態を脅かさないように、世界規模での対応が必要です。
ペンギンは種類によって大きさがだいぶ違う
現生のペンギンの中で最も小型なのがコガタペンギンで、体長30~40cm、体重1kgほど。最も大型なのがエンペラーペンギン(コウテイペンギン)で、体長100~130cm、体重30kgほどもあります。大きな個体だと45kg近いエンペラーペンギンもいるのだとか。身近なものでいうと、それぞれ子犬と小学生くらいのサイズ感で、その重量差は実に30倍にもなります。
大昔には人間くらいの大きなペンギンがいた
今は絶滅してしまいましたが、古代ペンギンの中には体長150~170cm程もあるペンギンがいたというのが分かっています。南極沖合の島やニュージーランドで巨大なペンギンの化石が発掘されています。それらの大きなペンギンは総称してジャイアントペンギンと呼ばれ、何種類も発見されています。成人男性と同じくらいの大きさのペンギンということで、想像するとちょっと怖いですね。
ペンギンは寒い地域以外にも生息している
氷の上にいるようなイメージが強いペンギンですが、南極大陸でのみ繁殖しているのはエンペラーペンギンとアデリーペンギンの2種類のみ。極寒の南極だけでなく、亜南極、オーストラリア、ニュージーランド、南アメリカ、南アフリカ、ガラパゴス諸島など温暖な地域にも生息しています。
日本で最も多く飼育されているフンボルトペンギンは、日本から地球のちょうど真裏あたりにある、南米のチリ・ペルーなどに住んでおり、気温や気候が日本とほぼ変わりません。そのため、水族館や動物園の屋外で散歩するイベントが行われていたり、夏でも元気な様子を見ることができるのです。
ペンギンは歯がなくて口の中がトゲトゲ
ペンギンには歯はありません。舌と上あごにギザギザのトゲ(突起)があり、それは口の奥に向かっているので、食べた魚は奥へはすんなり入りますが、ウロコにひっかかるので出てきにくい構造なのだとか。一度くわえると簡単には離さないようにできているので、水中でスピーディーに魚をキャッチしても逃しにくくなっています。
口の中なのでなかなか見られない場所ですが、大きなあくびや、大きな声で鳴いているタイミングなら見られるかもしれません。運よく見られた人からは、あまりにトゲトゲ、ギザギザで「ペンギンのイメージが変わった」というコメントも…。
実はペンギンの翼はすごく硬い
ペンギンの翼は大きな羽毛に覆われふわふわとした鳥の翼とは違い、ウロコのような細い羽根でおおわれています。この翼はフリッパーと呼ばれ、中には厚くて硬い板状の骨が入っています。
フリッパーはとても硬くて頑丈なため、ペンギン同士のケンカにも使われるのだとか。キングペンギンやエンペラーペンギンなどの大型のペンギンとなるとそのパワーもすさまじく、はたかれると大根が折れるくらいの威力があります。
実はペンギンは短足ではない
短足なシルエットがトレードマークのペンギンですが、実は普段見えているのは足のほんの一部。人間でいうかかとから足の甲にあたる部分「ふしょ骨」が足として見えており、ふしょ骨から上の部分は体内に隠れています。鳥のなかでもペンギンは特にふしょ骨が短く、これは体外に出ている末端の部分を少なくして熱を逃げにくくするためなのだとか。
骨のつき方を見ると、長い足の骨はひざをまげて折りたたまれ、おしりを下げて歩いているような、常にしゃがんでいるような状態になっています。
氷の上にいても足がしもやけにならない秘密がある
血液から熱が奪われないように毛細血管を収縮し、そのまま血流が悪くなって起こるしもやけや凍傷。南極の氷の上で生活しているエンペラーペンギンやアデリーペンギンの足は常に氷に触れていますが、しもやけにならないのには秘密があります。
ペンギンやカモ、寒い地域に生息する白鳥や鶴などの足の皮膚には、「ワンダーネット」と呼ばれる血液の熱交換機能が備わっています。体内で温められた血液が流れる動脈に、指先で冷やされた血液の流れる静脈が絡みついており、熱交換して体温を保っているのだとか。毛細血管を収縮させる必要がなく血が滞るようなことがないためしもやけの心配もありません。
ペンギンは年に一度全身の羽が生え変わる
ペンギンは幼鳥から成鳥になる際に羽根が抜け替わるというのを聞いたことがあるかもしれませんが、実は成鳥でも年に1回羽の生え変わりをします。撥水(はっすい)性や断熱性を保つため、陸上で全身の羽毛を2~4週間の間に一気に交換する「換羽期(かんうき)」には、いつもと違うふわふわ、ぼさぼさしたペンギンの姿を見ることができます。
ペンギンの種類によって時期は異なるそうですが、ケープペンギンの場合は繁殖期の後に換羽期が訪れます。多くの餌が必要な子育ての時期に向け、水中で体温を維持できるように羽根の機能を向上させるのだそうです。
エンペラーペンギンのパパは3か月断食して卵を温める
ペンギンはオスも卵を温めるイクメンな動物。ほとんどのペンギンがオスとメスが交代で卵を温めますが、エンペラーペンギンはオスだけが卵を温めます。
最も過酷な子育てをする鳥と言われるエンペラーペンギンは、気温-60℃の極寒で強風が吹く南極大陸で子どもを産み育てます。産卵が終わってエサを取りに行くメスの代わりに卵を温めるのはオスの仕事。長い時には3カ月も断食してママの帰りを待ち、卵を温め守るのだそうです。
ペンギンの日は長崎ペンギン水族館にペンギンを見に行こう
今回取材にご協力いただいた「長崎ペンギン水族館」は、世界に18種類いるペンギンの内9種を飼育・展示しているペンギンに特化した水族館。
ペンギンたちが自然の海で泳ぐ様子や陸だけでなく水中での食事風景を見ることができる他、ペンギンの特徴や行動について解説するイベントなどがあり、様々なペンギンの種類や特性を知ることができます。近くの水族館では見られない種類のペンギンが見たい時、一度に多くのペンギンを見て比較してみたい時にはぜひ足を運んでみてください。
095-838-3131
長崎県長崎市宿町3-16
9時~17時
なし(年中無休)
高校生以上520円、3歳~中学生310円、2歳以下無料
長崎駅よりバスで30分/長崎道芒塚ICより約5分
270台(有料)
「長崎ペンギン水族館」の詳細はこちら
まとめ
ペンギンの生態に興味を持っていただけましたでしょうか?ぜひ豆知識の内容を確認しに、長崎ペンギン水族館や、近くのペンギンに会える水族館へ足を運んでみてくださいね。
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※この記事は2024年4月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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鳥井 晴風
5人の子どもを持つママ編集ライター。 子供に大好きな漫画の主人公の名前を付けてしまうほど漫画アニメ好き。キャラ弁やキャラケーキづくりが得意。好きなお出かけ先は道の駅や直売所など食材が豊富なところ。 自分で収穫する味覚狩りや芋ほりも大好き。